126人が本棚に入れています
本棚に追加
今まで決められずにいたのは、
オレの気持ちの問題だけだったんだと気付く。
ただ離れる事が怖かったんだ。
いつでも触れられる、
触れてもらえる距離に居たかったんだ。
きっと
それだけでオレは安心出来ていたんだと思う。
大学はユヅルと同じと決めたオレは、
その後の事は、わりとあっさりと決めた。
学部をどうするか…ちょっと悩んだけど、
オレも教育学部にした。
同じ大学に行くなら学部も同じがいい。
同じ校内に居るのに擦れ違うばかりじゃ
もっと 淋しく感じる気がした。
高校教師は柄じゃ無いけど…
小学生や中学生の教師ならオレにも
手に負えそうかな!?って思う。
20日間の夏季講習の終盤は、
模擬試験や過去の入試問題テストの連続で、
大学受験ってこんなに大変なんだと思い知らされた気分だった。
それでもユヅルと同じ大学と言う
目標が出来たから頑張れた。
予想合格ラインを超えていたので講師も大丈夫だろっと言ってくれた。
これで夏休みの後半はちょっとだけ、
ゆっくり出来そうだ。
ベッドに寝転び考える。
天井を見つめながら思い返す。
もう 2年になるんだな。
ユヅルと付き合い出して。
今は一緒に居たいと思う一心で、
こうして同じ所に行こうとしてるけど…
大学に受かったとして、ユヅルが言うように
一緒に住んだとして……
その先に何があるんだろうか?
目を瞑り…溜息をつく。
今、考えてみても仕方無いと解っていてる。
解ってはいるけど…。
オレたちの事はタカだけが知っている…
大学生になればタカとは離れてしまう。
また、溜息が出た。
タカがそばに居てくれないと言う事は、
オレの話を聞いてくれ、
背中を押してくれるヤツも居ないと言う事だ。
最初のコメントを投稿しよう!