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『タカ 話があるんだけど会えないかな』
オレは大学を決めた報告と
ユヅルとの事を話たくて電話をした。
「うん。全然平気、いつ? 今日でもいいし」
って言ってくれた。
『じゃ 少しは涼しくなるだろうから…
夜なんてどう?』
快くOKしてくれたタカと
夜の7時に駅前のコーヒーカフェで待ち合わせる事にした。
先に着いたオレはアイスソイラテを注文し入り口が見える席に座って待った。
しばらくすると
タカの姿が見え、オレに気が付き軽く手を上げ、
カウンターで注文し、マキアートを片手に
「夜なのに まだ暑いな」って
柔らかな笑顔で言いながらオレの前に座る。
「ユヅル抜きって珍しくないか」って
ストローを銜えて言い…
なんでなの?って聞きてきた。
『夏休みに入ってすぐに、ユヅルに塾に誘われて…何も決まらないなら塾に通いながら考えてみたらって言われてさ』って話始めた。
タカはストローでマキアートを啜りながら
オレが何を言い出すのかと顔を近付けてきて、
「……で 」 先を促す。
少しの沈黙の後、
『塾に行き始めても結局 何がしたいのか
決められずに焦り出したオレにユヅルが同じ大学に行かないかって言ってくれて…』
黙って聞いていたタカが、
「…で、 同じ大学に決めたの?」
オレは頷き、
『同じ大学に行くなら同じ学部にしようかと…教師になるかは、まだ決めてないけど…』
ってオレは言った。
離れたくないとか
触れ合える距離にいたいなんて言えなかった。
いくら理解者のタカでも
何処まで話していいのか解らないでいた。
男同士のこんな関係をタカに
ほんとーに理解してもらえるのか
怖くて本音も聞けないでいた。
ただ、いつも背中を押してくれる、
そんな優しさに甘えているのかも知れない。
「オレが何を言える立場でも無いけど…
ユヅルがマサミの事、凄く好きな事は見ていてわかるよ」って笑う。
タカは夏休みの間に、
また3人で遊びに行こうかって言ってくれた。
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