1人が本棚に入れています
本棚に追加
その後も彼女が必死に食い下がり、なんとか俺に翻意して欲しいと粘っていたが、
“覆水盆に返らず”
「あなた、きっと後悔するわよ~!!!」
と、捨て台詞を残して、去って…行きました
かくして、5年間付き合ってきた彼女と決別した
この時、いい気になっていた…俺だったが……
彼女とは、大学二年の春に、同じ授業を受けていたのがきっかけで付き合い始め、あっという間の…5年の歳月が過ぎました
彼女は本当に俺に一生懸命尽くし、愛してくれていた
俺も彼女の事を愛していたけど、猜疑心の強い俺は結局、最後まで彼女を信じてやれなかった
彼女と別れた俺は、それまで全てが順調だったのが嘘のように歯車が狂い、何もかもがうまく行かなくなり、結局、5年間のサラリーマン人生が終わりを告げた
フリーターになり、その日暮らしの生活を始めた俺はどんどん、転落の道をたどっていった
更に3年の歳月が過ぎ、風の便りで、驚くべく知らせが俺の心を強く激しくえぐった
彼女…結婚し、専業主婦になったのだ!
相手は、あの“先輩”
そればかりでなく、彼女の“内助の功”に支えられて、あの彼……結婚した翌年に政治家に転身して、トントン拍子で出世街道を歩み、そして、
45歳になった今もフリーターで居る俺とは対照的に、あの彼……なんと!
この瞬間(いま)、内閣総理大臣になったのだ!
俺は、俺はなんて、どうしようもないバカなんだ!!!
いい気になって、愚かにも彼女を傷つけ、一方的に別れを宣告しなければ、
今この瞬間マスコミ各社のカメラのフラッシュを浴びているのは…間違いなく…俺なのに!!!
俺なら、こいつなんかよりも日本をもっと国内外に誇れる国にいたします!!!!!
〈了〉
最初のコメントを投稿しよう!