モノクローム・レインボウ

2/4
前へ
/4ページ
次へ
 無彩色の世界の空に、七色の光の橋が立った。  俺は一眼レフのカメラを空へ構えると、獲物に狙いを定めたハンターのように、ゆっくりと銃の引き金を引き絞るつもりでシャッターボタンを押下した。 ――カシャッ  デジカメの液晶ディスプレイを覗き込んで、自分で撮った映像を確認する。収めたばかりの七色の光が映しだされていた。  俺はもう一度空を見上げたが、そこには既にあの眩い光の帯の姿は無く、気が滅入るような灰色が広がるだけだった。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加