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無彩色の世界の空に、七色の光の橋が立った。
俺は一眼レフのカメラを空へ構えると、獲物に狙いを定めたハンターのように、ゆっくりと銃の引き金を引き絞るつもりでシャッターボタンを押下した。
――カシャッ
デジカメの液晶ディスプレイを覗き込んで、自分で撮った映像を確認する。収めたばかりの七色の光が映しだされていた。
俺はもう一度空を見上げたが、そこには既にあの眩い光の帯の姿は無く、気が滅入るような灰色が広がるだけだった。
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