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ある朝、目覚めると哲ちゃんからの書き置きが残されていた。
『悪い。酔っ払ってベランダ出たら鉢ひっくり返した。あと、頼む』
「ええええええええっ!」
急いでベランダに出たアタシが目にしたのは横倒しになり、土が半分以上もこぼれてしまった状態の植木鉢だった。
急いでスコップで土をすくっても、小さな奴隷たちは全て逃げ出したのか、一匹も見当たらない。
「あーあ……」と肩を落とした。
哲ちゃんは優しいけれども、ちょっとだけ間の抜けたところがある。
でも、アタシは哲ちゃんが大好きだから決して怒ったりしない。
だって哲ちゃんは世の中の大勢の人の中から、こんな出来損ないのアタシを選んでくれた。
そんなかえがえのない人に出会えたアタシって本当に幸運だと思う。
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