第1章

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それからはお互い通学時間も一緒だったし、自然と同じ両の決まった席で話すことが多くなった。 マリアも俺も多くは喋らない方だが、会話がなくても気まずくなるようなことは無かったし、落ち着く空気感が二人にはあった。 部活帰りにファミレスに行ったり、図書館で試験勉強したり。 そんな日が少し続いたある日、マリアが俺に言った。 「私、先輩に付き合いたいって告白されてるの……結構人気のある先輩みたいで友達の中にも憧れてる子がいるんだ」 「……」 「……良い人そうだし、付き合ってもいいかなって」 「……」 「どう思う?」 「……」 「俺にしろよ」 自分でも不思議なくらい自然に出た言葉だった。 「俺にしろよ、先輩なんかいいから俺と付き合えばいい」
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