第2章

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すずはそれこそ俺を追いかけるように同じ高校に入ってきて、今じゃ俺の入ってるサッカー部のマネージャーにまでなっている。 兄妹仲良いね、と言われるが仲が良いのかさえ本人の俺はよく分かっていない。 今じゃ当たり前に生活しているが、小さい頃に俺は脳に腫瘍ができる大病にかかってしまい、幼少期の記憶がほとんどないからだ。 俺の病気の治療ができる病院に通うため、家族全員でこの街に引越してきた経緯が実はある。 すずには仲が良かったであろう友達と引き離してしまった罪悪感から俺は幼少期のことは触れないでいる。 すずもそれを分かってか、俺の前では幼少期の話はしない。 だから俺はすずとの1番古い記憶も小6くらいからだ。 今ではもう病気のことはあまり気にならなくなったというか、病気のことは薄れていっている感じだ。 勉強に部活動に恋愛もそう。 俺の頭の中を占めるモノが変わってきたんだと思う。 明後日の県予選の試合では必ず勝たないといけないと思っているように。
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