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というか、ばっちり目撃されてるじゃん! わたし。くそう。これじゃ言い逃れできそうにない。下手に口走れば、この趣味が学校中に知れ渡ってしまう。ここは認めたほうが無難にすみそうだ。
「……ドン引きしちゃった、よね?」
カードを受けとり、わたしはサスペンス劇場の自白する犯人みたいな声をだした。さもやむを得ない事情があったのだと言わんばかりに。そんなものは一ミリもないけど。
少しの沈黙のあと、仁田くんは静かに口を開いた。
「別に。好意を抱いてくれるのは素直にうれしいぜ」
「ええ!?」
意外な返事に泡を食う。
「ただ残念なのは、レアカード仕様じゃない点だ。俺の作ったやつは、超レアカード仕様だってのに」
今なんつった? 耳を疑う発言をしたような。
情報を整理する中、仁田くんがポケットから一枚のカードらしきものを抜きだす。
わたしは面食らった。
その眩いばかりの光彩を放つカードには、わたしの笑顔がどアップで写っていたのだ。
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