第1幕 始まり

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もう何もかもがつまらなかった。 同級生達の芸能人がどうとか下らない会話も。 エゴにまみれて、理想を押し付けてくる母親も。 自分に都合の悪いことに見て見ぬふりしかしない先生達も。 ツラいことしかない現実そのものが。 目の前に川がある。 結構、浅いな。 頭から飛び込めば首の骨が折れて死ねるかもな…。 「……死んじゃおっかな。」 誰に言うわけでもなく、呟いてみた。 それでもいいと思った。 だってこれから先、夢中になれることなんて見つかる気がしないから。 「死にてぇのか?」 声が後ろから聞こえた。 誰かなんて気にもしなかった。 誰でも良かったから。 「死にたいですよ。」 僕は声に向かって、答えた。 「じゃあ、死ね」 「え?」 次の瞬間、後ろから突き飛ばされた感触とともに。 宙に舞う感覚とともに。 僕は橋から落ちた。
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