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もう何もかもがつまらなかった。
同級生達の芸能人がどうとか下らない会話も。
エゴにまみれて、理想を押し付けてくる母親も。
自分に都合の悪いことに見て見ぬふりしかしない先生達も。
ツラいことしかない現実そのものが。
目の前に川がある。
結構、浅いな。
頭から飛び込めば首の骨が折れて死ねるかもな…。
「……死んじゃおっかな。」
誰に言うわけでもなく、呟いてみた。
それでもいいと思った。
だってこれから先、夢中になれることなんて見つかる気がしないから。
「死にてぇのか?」
声が後ろから聞こえた。
誰かなんて気にもしなかった。
誰でも良かったから。
「死にたいですよ。」
僕は声に向かって、答えた。
「じゃあ、死ね」
「え?」
次の瞬間、後ろから突き飛ばされた感触とともに。
宙に舞う感覚とともに。
僕は橋から落ちた。
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