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………心臓がバクバク言っている。
頭が真っ白ですぐには何も考えられなかった。
「お~い、生きてるか?少年?」
目の前に1人の男の人が立っていた。
黒のタンクトップに青いジャンパー。履いているジーンズの傷み具合が年代物を連想させる。
が何よりも目を引いたのは、そのサングラスだった。
斜め上に突き出た真っ赤なサングラスは、逆にした「ハ」の字をイメージさせた。
「『死んだ』って思った気分は、どうよ?」
ニヤニヤ笑いながら僕の顔を覗きこんで聞いてくる。
その声はさっき後ろから聞こえた声だった。
この人が僕を突き飛ばした張本人だと気付くのに時間はかからなかった。
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