ここからが本番…?

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ここからが本番…?

あれからかなり歩いてるけど、やっぱりこの学園おかしいだろ。 すれ違うヤツら皆顔整ってるし。 ジロジロ見てくるし。 まぁ、こんな時期に来るのは珍しいか。 でも、なんで皆俺を見るんだ? 確かにこんな平凡顔じゃ笑われても仕方ないけど… そんなあからさまに態度に示すなよ… 「なぁ透、聞きたいことあんだけど」 「なに?」 「その、さっきからお前の言葉に出てくる王道ってなんのことだ?」 「え!?そ、それは知らなくてもいいことだよ!」 「?そうなのか?「おう、むしろ知らない方がいい!」ふーん」 そんなことを話していたら… 「あ、あの人凄い綺麗だな」 「え!?あ!!」 前から童話の中の王子様みたいに綺麗(美人?)な人が走ってきていた。 髪は銀髪?でさらさらしている感じ。 「王子様ってああいう人のこと言うんだろうな」 「……あれ?透?」 俺の後ろに居たはずの透がいなくなっていた。 「おいっ!ふざけんな!!」 あの人が行ったら探して目の前でこのカメラ燃やしてやる! 「此処にいましたか」 「へ?」 え、なんでこの人が俺の前にいるの? 「あ、あの…??」 「あ、失礼しました…私蒼珠 誠(そうじゅ まこと)と言います。 桃桜学園、生徒会副会長を務めさせて頂いております」 そう言うと副会長はにっこりと綺麗すぎる笑みを浮かべた。 嘘臭い笑顔…苦手。 「…えぇと、僕は…美玉頼、睦月です。副会長さん…事長室への案内を頼んでもいいですか?」 「はい、では行きましょうか」 にっこりと微笑まれても俺にはその笑顔を直視しようとは思えなくてつい顔を逸らしてしまう。 透もいなくなっちゃうし、まだHRの時間じゃないのに…。 (7:36分) 「……?あの、なんですか?」 さきほどからずっと俺を見てくる副会長は、少し驚いた顔をしていた。 「あなたは変わっていますね…」
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