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しかし、名前しか把握できていない編入生を探すのは大変だった。
しかも、朝早いというのに…校内にはちらほらと生徒がいて私に話し掛けてくる…
「聞くしかなさそうですね…」
あまり話し掛けたくはないが…仕方ない。
私の親衛隊を見つけたので、編入生のことを聞くことにした…。
「あ、副会長様っ!!おはようございますっ、なにかご用ですか!?」
「えぇ、校内で見かけない人はいましたか?」
桃桜学園は幼・小・中・高、一環でほとんどの生徒が顔見知りだ。
そんな中で見かけない顔、というのは0に近い。
つまり、見かけた、となれば必然的にその人が編入生に該当する。
「え、見かけない顔…ですか?あ、確か藤沢と歩いていた人なら見かけましたよ?背の小さい…」
「どちらに行ったか分かりますか?」
「理事長室について話していたので…多分ソコに向かったと思います」
「そうですか、ありがとうございます」
「いえっお役にたてて光栄ですっ…///」
後ろでなにか言ってるが…まぁ、いいでしょう。
それにしても…藤沢ですか、彼は確か1-Sだったハズ…いつもはカメラを片手に校内を走り回ってる様ですが…。
そんなことを考えていると、
「あ、あれですね…藤沢もいますし、、、」
確認してから編入生の方に走っていくと、
編入生に気づかれたようで、藤沢も目を丸くしていた。
しかもすごい速さで奥の壁に隠れている…。
それに編入生は気づかなかったのだろう…
探しているみたいだ…。
でも、私が目の前に立つと…混乱した表情で見上げてきていた
「此処にいましたか」
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