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そんな中、轆はやっと口を開いた。
「…………彼女を」
一瞬誰のことかわからなかった。
しかし、轆を見ていた僕の視界の端に、それらしき人が写っていた。
萩原さんだった。
僕は確認をするため、轆に質問をした。
「お前が言ってる《彼女》てこの人のことなのか?」この時の僕は、このベンチに座って、雨に打たれながら轆に寄り掛かっている人が萩原さんとはまだ知らなかった。
質問にたいして轆は首を上下に動かした。
僕は萩原さんへと目を移した。
萩原さんは赤いローブを羽織っている、髪は胸のところまで伸びていて、かなり乱れている、肌はとても白くまるで女優さんのようだ。
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