僕と萩原さん

9/29
前へ
/42ページ
次へ
また、スタイルも抜群だ、雑誌に載っているモデルにもひけをとらないほどだ。 たいていの、男は、いちころだろう。 …………僕でも好きになってしまいそうだ。 僕は、轆のほうへ頭を動かした。 轆をまた、さっきのように頭を下げ、沈黙を守り通している。 轆の髪からは、雨のせいでずいぶん濡れて、前髪の先からは雫が落ちるのがわかる僕は頭を下げている轆に向かって、 「轆、お前とこのお前に寄り掛かってる人…どんな関係だよ? もしかして、お前のお姉さんか?それとも、身内の人か?」 と聞いてみた。 何秒かの沈黙のあと。 轆は、なにを思ったのかいきなり立ち上がった。 そのため、萩原さんは支えを失いベンチに寝るような形になった。
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

54人が本棚に入れています
本棚に追加