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「そうか。邪魔したな」
すぐにでも捜査を再開しなければいけない。部屋を出ようと椅子から立ち上がった。
「待って」
腰のベルトを掴まれる。腹に食い込むベルトを引き返しながら顔を後方へ向けた。
「…………何をしている……」
「こんなところに閉じ込められて退屈なんだ。もう少し居てくれたっていいじゃないか」
「俺は仕事で忙しいんだ。人を暇潰しの道具にするな」
「君、僕に助けられたんだったね? これくらいの希望、聞いてくれてもいいと思うけど」
「……はあ」
短く息を吐いて、俺はもう一度椅子に腰掛けた。
今回だけだ。見舞になんて二度と来るか。
目の前の男は満足げににんまりと笑っている。
苛立ちと暑さを誤魔化すためにネクタイを緩め、シャツの第一ボタンを外す。
「そんなに元気ならすぐにでも退院できそうだが」
「あと一週間は居ろって言うんだよ。入院生活ってやることもないし、つまらないものだね」
「なら言うが、こんなところに閉じ込められたくないなら二度と警官なんか助けようとしないことだな」
「……なんだって?」
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