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書類の整理をしていると、廊下の陰からフィリップのスパイシーで目立つ香水を感じた。
ここからは少し距離があるが、香りで判断するまでもなく、毛玉のようなほとんどアフロの天然パーマとひょろっとした長身、それに派手なシャツを着ているのでチラッと見ただけでもフィリップだと分かる。向こうも俺を探していたようですぐに寄ってきた。
「ウィル! 元気か?」
明るいテンションで肩を叩いてきたと思ったら、たいして似合っていない顎髭を撫でながら申し訳なさそうに眉を下げている。
「いやぁ、今回のことは本当に悪かったよ」
「なんだ、まだそんなこと言ってるのか。あんたのその台詞は聞き飽きた。もう体も問題ないから気にするな」
「そんなわけにいかないって。俺、本当に反省しているんだ」
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