第1話

あとがき

　スポーツ新聞で釣りの担当記者をしています。
　釣りに行って、乗っているお客さんとお話をして、写真を撮って、記事にまとめて、紙面にする。
　このルーティーンを続けてきたが、「果たしてこれでいいんだろうか？」。そう感じるようになってきた。ここ３年ほど。
　毎年１２月１日に「レジャー白書」という統計が発表される。釣りの項目もあって、それによると釣り人口は毎年右肩下がりだ。２０１４年は７７０万人、昨年は６７０万人。１年で１００万人減。なんとか食い止めたい。
　記事を書くだけでは限界がある。何かをしなきゃいけない。
　釣りの小説。そういえば、あまりない。今回は、釣りに行く前のことについて書いてみました。
　実際に釣っている描写も書き込んでみたいけど、京急とどうつなげるか。釣り宿までの道のり。本当のことが始まるまでの助走。その後の凛乎がどうなるのか、それはみなさんで想像してみてください。
　そうそう、東京湾のアジ。本当に美味しいんですよ。ぜひ、チャンスがあればご賞味あれ。