プロローグ

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「あいつ絶対、オレをナメてる」 さっき帰ってきたお兄ちゃん。 晩ご飯を食べながら、食後のお茶を飲んでるお父さんに向かってまた愚痴をこぼしてる。 またあの子の話か、とお父さんは呟いて、 「お前だって、その子に見どころがあるから腹を立ててるんだろう?」 「……おかわり」 お母さんにご飯茶碗を差し出すお兄ちゃんは、お父さんの質問に答えなかった。 最近、お兄ちゃんが愚痴を言いながらご飯を食べてるのをよく見る。 この時出てくる名前も、言うことも、だいたい同じ。 「あいつは問題だらけだ」 「実力はあるのにムラがある、真面目にやってるのかわからない」 そして、 「あいつ自身が気づかない限り、本物のエースには絶対なれないんだ」って。
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