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大学では一人でいる未紅だが、キャンパスで声を掛けられた。
「こんにちはー。ちょっとお話しがあるんですけど」
それはずいぶん前にレディピッカの意味を教えてくれた4人だ。
「なんでしょうか?」
「私たち、国際交流学科で、イタリアが好きでイタリア文化研究会をつくって活動しているんだけど、あなたも入らない?」
サークルの勧誘だった。
「どうして私に?」
「あなた、イタリア語に興味ありそうだったから。私たちの研究会は全然難しい活動じゃなくて、イタリア料理を食べたり、イタリア映画を観たり。イタリア文化にみんなで触れるんだけど、楽しいわよ」
「イタリア文化……」
未紅はテオを理解するためにも、イタリアについて詳しく知りたいと思った。
「ぜひ、入れてください」
「よかった。歓迎するわ」
未紅は歓迎されたことが嬉しくなった。
もう一人じゃない。
こんなに変われたのも全部テオのお蔭。
(テオさん、グラツィエ ミッレ! ティ アーモ!)
千のありがとう。
愛している。
きっといつかまた会える。
その日まで、アッディーオ。
〈了〉
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