防犯カメラ

　駅前でコンビニ強盗が起き、俺と相棒は付近一帯の聞き込みをした。その際、あちこちの防犯カメラを確認させてもらうことになった。
　被害に遭ったコンビニの物と、逃走ルート上に設置されていたいくつかのカメラを確認して回る。
　でも、二台目の映像辺りから、俺も相棒も確認をするのがしんどくてたまらなくなった。
　一台目の防犯カメラはコンビニに設置されていたものだ。ばっちり犯人が映っている。
　店員を脅し、レジの金を盗る。そのまま店外へ逃走。ここまでは普通だ。だが、二台目からの映像は普通じゃなかった。
　逃走する犯人の背中に乗っかる人影。それがす目に入った。
　三台目の映像では、その人影の手が犯人の首に回っている。
　四台目では、首を絞められているらしき犯人の、苦悶の表情が確認できた。
　五台目。犯人は走っているが、顔に表情がない。人影は相変わらず背にへばりついている。
　六台目。五台目とそう変わらない位置にあったカメラなのに、ふいに犯人の姿が消えた。もちろんあの人影も映ってはいない。
　多分、犯人は五台目と六台目の防犯カメラの間辺りにいることだろう。
　ただ一つ、今最も懸念していることは…俺と相棒は、生きたままの犯人を逮捕できるだろうかというその点だ。

防犯カメラ…完