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「ふふふ。とまあ、こういう訳だ」
壇上の女の子はそう言った。その手に人が突き刺さってなければ、その無邪気な笑顔はずっと見ていたいくらいなのに。目を背けずにいられない。
「やだなあ、キミらが言ったんだろう。リアリティに欠けるって。ホント、勝手だよねえ……あはは」
腕を無造作に引き抜いて、血の付着したその指を舐めながら笑う。
悍ましさが加速していく。
「まあ、そういう訳だからさ。せいぜいその無価値な命を散らせて頂戴な、ええと、なんだったかな……あ、あれだ! 不幸な実験台諸君!」
誰一人喋らない、嗚咽、すすり泣き程度の発声はあれど。恐怖と疑問が充満していく。頭の中を整理するには、圧倒的に時間不足だった。
「あ、それと、言っておくけど、これは嘘でもドッキリでもないからね? 躊躇してたら死ぬよ? 知らないからね、ふふふ。……じゃあ、質問もないみたいだから、さっさと始めようか。こういう時はなんて言うんだったかな?」
唯一彼女だけが、その口を動かし続ける。
「そうそう。あれだあれだ。ご武運を! ってね。あはは」
その言葉を最後に、秀都の意識は唐突に切られた。
GM 神永祐奈(かみなが・ゆうな)
能力名【災厄付与】一を代償に、五十の能力を自由に付与出来る能力。アクティブタイプ。
能力名【剛腕】素手に寄る突きの威力が強化される。パッシブタイプ。
他多数。
No.6 葛西優一(かさい・ゆういち) 27歳 退場
能力名【聖者の誇り】言動、行動が多数派である内は生存を確約される能力。パッシブタイプ。
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