1 世界の犠牲者

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 殺し合い、そう、まあ殺し合いだね。  この試合を任されたのは私だけど、キミ達を哀れで不幸な実験台達と銘打ったのは私じゃないよ。だから安心してね。そんなにひどいものじゃないから。私達はゲームって呼んでるくらいだしね。  たった三十九の命を刈り取るだけの作業だからね。しかもそれらを見知らぬ誰かと分担するんだ。まあ要するに、最後の三人になるまで殺しあえってことさ。至ってシンプルでしょ?  まあキミ達も非力なもんだ。会場にはそれこそ努力次第で殺傷能力を見出だせるアイテムもなくはないけれど、それだけの力に頼るとしたら本当に不幸だもんね。だから今回は、キミ達の体にちょっと細工をさせてもらったんだけど……。  あ、怒んないでよ。ゲームが終わったら元に戻してあげるし、それにそんなに悪いものじゃないよ。言うなれば特殊能力ってやつさ! ほら、心踊るよね。  四十ニだから四十ニ通りの特殊能力があるよ、十人十色ってやつだ。あ、言葉の使い方違うかな? ごめんね、能力創ってる時に出てきたからさ。  まあ全てに威力があるわけでもないけど、全部使い手次第かな。当たりと外れの差は結構激しいかもしれないね。それでも、頭と体をフルに使うんだよ、頑張って! おっと、この場にいる内は発動しないから、大丈夫だよ。血気盛んな子も居るみたいで嬉しいよ。  殺し合い、といってもこんな狭い中じゃすぐ終わっちゃうし、密閉空間だと能力の有利不利が大きすぎるから、私の話が終わったらみんなを「会場「に「飛ばす」から安心してね。便利な荷物も一緒にあげよう、こんなサービスしてるのゲームマスターの中じゃ私だけじゃないかな。恩に着てもらってもいいよ、是非。  とまあ、こんな感じなんだけど。うーん、思いついたのはこれくらいかなあ、後は成るように成るって、誰かが言ってたし。
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