第2章 海からの風

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静けさに止まると書いて止静と読みます。」 ほの暗い灯りが法堂を照らす。時間を計る 線香の煙が風で流れる。日が暮れて外が暗く なると堂内は明るくなる。 小さな鐘が一回、拍子木が二回鳴った。 「休憩です。抽解と言います。足を崩して 結構です。少し休みましょう。」 しばらくして拍子木が鳴った。 「もう一度坐ります。姿勢を整えて ください。」 小さな鐘が四声鳴り、再び止静となった。
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