第3章 砂の城

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起きたことをありのまま告げた。恋多き女と して名を馳せた香織はただ一言。 「寝取られるほうが間抜けなのよ。」 「そうですね。その男も友達も同じ高校 でしたから黙っていたんです。それが仇に なって、つきあってないと思われたみたい です。そう言ってました。」 「彼女の言葉を本心だと思ってる?」 「いいえ。敢えて問い質しはしなかったけれ ど、単なる言い訳です、きっと。」 「そうだわね。男が絡むとある種の女は 平気で誰でも裏切れるのよ。親や子でさえ。」 「友達と同じ男と寝る神経がわかりません。」
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