第3章 砂の城

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「彼女はどうかしら。仮にあなたが妊娠した として、相手が彼女の知らない男性だったら 素直に祝福するかしら。」 「え?」 「その男性を寝取らないまでも、何かの形で あなたの大事なものを奪い取ろうとする でしょう。彼女にとって大事なことは、 あなたが成功したり幸福になるのを邪魔する こと。それが彼女の成功であり幸福なの。 恐らく自分でも気ついていないでしょうね。」 「潜在意識下で『他人の不幸は蜜の味』…ですか。」 「そういう人間が現実に存在するのよ。」 「わたしと彼女の絆は砂の城だったのに、 大理石で出来ていると信じて疑わなかった わたしが阿呆なんだと思います。でも、 女同士の友情がそんなに脆く儚いものだとは
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