通学

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「ねぇ、めぐみ?」 翌日、お昼休みに声をかけた。 授業の合間だと短いし、ろくに話せないと思って。 朝は駅で笑顔で挨拶してくれためぐみ。 昨日は、機嫌が悪かったんだと思った。 「……」 「……めぐみ?」 「……話し掛けないでくれる?」 「え……私、何か怒らせることしちゃった? それなら謝るから許してよ」 折角、仲良くなれてきたところ。 友達になりたいと思っていたし、私はすぐに下手(したて)に出た。 「……」 だけど、めぐみは黙ったまま、目も合わせてくれない。 頬杖をついて、スマホを片手で弄って、『話し掛けないで』ってオーラが見てとれる。 私は、どうしてそんな態度をとるのかが分からなかった。 「めぐみ……?」 「さつき~! ちょっと来て!」 「え?! なに? マイちゃん」 「早く!」 「……ごめんね、めぐみ。 呼ばれたから行くね? また後で話そ」 「……」 黙ったままのめぐみを気にしながらも、私はマイちゃんに呼ばれて教室をあとにした。
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