第2話―混乱と共に―

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「今日のスケジュールは以上です。明日またこのスタジオで10時からレコーディングなので、遅れないようにお願いします」 「あ、愛莉さん悪いんだけど明日雄介くん迎えに行ってもらっていい?僕ちょっと明日は用事があって行けないんだよね」 「別に俺一人で来れるけど」 「そういっていつも遅刻するでしょ。絶対ダメ。ごめんけど、お願いしていい?」 「はい、わかりました…えと、千裕さんと彰さんは?」 「そこ2人は家このスタジオから近いから迎えは大丈夫だよ」 「あ…はい…」 雄介さんだけじゃなく、二人も一緒ならって思ったけど… 車内で雄介さんと二人きりというのは、はっきり言ってかなり気まずい。 でも、仕事だと割り切って迎えに行く事にした。 大丈夫、仕事以外の話さえしなければ何もないはずだ。 と、この時は思っていた。 …この時は。  ■ 翌朝。 船橋さんの話が気になっていたが、車で雄介さんの自宅まで迎えに上がった。 船橋さんから指示のあった場所に車を停め、マンションのエレベーターで雄介さんの部屋がある階で降りる。 『雄介くんすごく寝起き悪いから、7時には迎えに行かないと間に合わないと思うよ。それから、部屋の中見てもびっくりしないでね』 寝起きが悪いって…そんな何時間もかかるものなのかな? 雄介さんの自宅からスタジオまでは車で約20分。 起きるのに多少時間かかって支度したとしても、男の人ってそんな準備かからないだろうから 1時間前とかで十分間に合うんじゃないか? 怪訝に思いながらも言われた通りの時間に雄介さんの自宅マンションのインターホンを押す。 「……出ない」 まあ、寝起きが悪いってことは気づくわけないよね。 私は船橋さんから借りた合鍵で自宅に入る事に。 『部屋の中見てもびっくりしないでね』 ドアを開けた瞬間、言っていた意味が理解できた。
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