採掘屋とニューエデン

2/18
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
 人類は広大な宇宙にまで生活圏を広げ、ワープ技術とジャンプゲートによって多数の(あたしが記憶している限りでは7000以上あった気がする)星系を結び、更にはその星系をも統治する国家が出来上がっていた。今はそれを四大国と呼んでいる。  ニューエデン(この世界の名前だ)における最大の帝国であるアマー帝国。宇宙の数ある帝国のうち、アマーは最も大きく、人間が移住している惑星の40%を支配している。アマー帝国はその長である皇帝と皇位継承権者によって統治されており、皇帝と皇位継承権者は500歳を超えることが珍しくない。彼らの生体組織は、大規模なサイバーインプラントによって維持され続けるうえ、この慣習が過去何千年にもわたって続けられているがゆえに、今では神聖さすら生まれてしまっている。またアマー人にとって、宗教への信仰というのは最も重要なもので、彼らはその宗教観の勧善懲悪を以て隣国を犠牲に領土を広げ、戦争で下した国々を『同化政策』の名のもと奴隷化した。そして今日のアマーでは、もはや奴隷は不可欠なものになってしまっている。そのアマーは、最大の帝国という名に恥じず、ワープ技術やジャンプゲート技術を最初に再建。そして再建を終えると、直ちに手短な星系を手中に収め、今日の大帝国を築いていった。しかしそのアマー人たちも、ガレンテ連邦の抵抗運動に悩まされ、さらにジョビ人を支配しようと試みて大敗北を喫している。それを発端として、ミンマター人がアマーに対して反旗を翻し、アマーは自制を余儀なくされた。 彼らの国土の拡大速度は落ち、他国への態度もある程度和らげたが、今日でも未だアマーの人々は、領土の広さ、人口の多さを根拠として、自分たちをニューエデンおいて最も優れた種族であると見なしている。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!