採掘屋とニューエデン

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ジョビ人は、どのような知識でも、それが知識であれば貪欲に欲するという気質を持っている。 彼らは、高度な盗聴デバイス・盗聴センサーを生み出し、他の種族の情報をも容易に手に入れられるようになった。これにより彼らは情報の量で他の追随を許さず、種族間における優位性を得るに至ったのである。そしてジョビ人は、彼らのその優れた技術によって作り出した機器を他種族に売ることで利益を得ている。 ジョビの社会は謎に包まれており、他種族対して閉ざされている。そのためジョビ帝国内に住む他種族も、ごく少数に限られている。あたしも、直接ジョビ帝国へ行った事はないが、艦船の技術やモジュール等でジョビの片鱗を見ている。  なんてね。何今更、歴史の教科書を読み返しているんだか。確かに暇だが、暇潰しはもっと他にあるんじゃないかって自分自身でも思う。あたしはしがない採掘屋だ。ニューエデンの製品の全ての根元である鉱石をアステロイドベルトから掘り出し、それを売って生活している。 「アイン、聴こえているかい?アイン?アイン・デスケイド!」 「はいはい、そんなおっきな声出さなくても聞こえてるよ、ドゥ・マイン」 通信相手は同業者のドゥ・マインだ。彼女のお陰であたしは今の会社で採掘を出来ていると言っても過言じゃない。  あたしが採掘屋を始めたのは半年ほど前だ。学校を卒業し、いざ一人立ちとなった時、過去に見た大規模戦争の映像とその衝撃、そして戦艦やそれより大きい主力艦への憧れから戦艦パイロットを目指してみたくなった。しかし、戦艦に乗るためには免許が必要で、勉強もしなければならない。更には免許も高く金策として始めたのが採掘だった。
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