採掘屋とニューエデン

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CONCORDに撃墜される前提で手頃な駆逐艦やフリゲート等を使い、更には場合によっては数を揃えてハイセクで艦を襲う海賊もいる。あたしもやられた。あたしがやられた時は4隻がかりでやられた。気がついた時には4隻のガレンテ製の駆逐艦カタリストに囲まれていた。駆逐艦カタリスト。小型船舶である駆逐艦にも関わらず8門までタレット(砲塔の事だ)を搭載できる優秀な艦。あたしを囲んでいた連中は明らかに只者ではなかったから、ヤバイと思いワープしようとしたが遅かった。採掘艦はそもそも足が遅い。足が遅いと言うことはワープに入るまでも時間がかかると言うことだ。その間に、あたしのレトリーバーはまずエネルギーを削られた。エネルギーニュートライザー、通称ニュートで持ってかれたのだ。勿論、海賊のカタリストに。ワープをするにもエネルギーがいる。エネルギーがなくなったと言うこと、逃げることもできない。あたふたしてるうちにコックピット内じゃ色んな警告音が鳴り響く。あっという間だった。あたしのレトリーバーは爆発四散。あたしはなんとか脱出カプセルで逃げ出したが、なにもできなかった。駆け付けるCONCORD。彼等は抵抗すらしなかった。当然だ、もともとやられる前提で来ているし、あたしのレトリーバーを撃沈すると言う目的は達成しているのだから。  買ったばかりの採掘艦が落とされ、これからどうしたもんか、と悩んでいたとき、彼女に出会った。ドゥ・マインだ。彼女の紹介でカルダリ連合のカウサージャ星系を拠点として活動する会社Before Dawn Frontier通称BDF社に入社した。ここはとてもよかった。手にしたばかりの採掘艦を失ったと話せば、レトリーバーをタダであたしに譲って貰ったし。マインとは紹介されたってこともあってよく組んで採掘に出た。彼女は採掘艦の上位互換版である特化型採掘艦ハルクに乗っていた。
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