雀とハルとヒヨリとアメリア。

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一年生剣士達が、くじ引きを終えると、 対戦相手が、公開された。 千子村正VSピリ子。 式島悠斗VSハル。 綺麗に、男子、女子のカードに分かれた。 続いて、くじ引き棒を箱に戻し、 二年生の模範試合の、組み合わせを決める。 ジャラジャラと、シャッフルしてから、 再び、 くじ引き……。 模範試合の対戦表は、以下の通り……。 イピリアVSアメリア。 満VS豆太郎。 試合の流れは、次の通りだ。 二年生の模範試合は、4人同時に2回行う (オフェンス。ディフェンス。)1R三分間。 有効打の多かった者が勝利。 その後、 一年生の試合を、各位、一試合づつ行う。 無制限一本勝負。 速い戦いは"秒"で決まる。 以前0,3秒で勝負を決めた一年生の頃の雀。 以来、教師達からは、一目置かれている。 その時、雀が放った技は、 回転斬り系、奥義<六六輪>(ろくろくりん) ※注意:峰打ち(練習試合なのに真剣を使用していた雀) その時の相手は、 今は3年、当時2年のネズ太先輩だ。 組み分けで溢れた雀が、二年生と勝負したのだ。 今ではすっかり仲良しだが、当時は敵対し合っていた。 そして、 話を戻して……。 第一試合。千子村正VSピリ子。 第二試合。式島悠斗VSハル。 試合の流れが決まったところで、夕暮れの武道場の窓の外に、ギャラリーが集まる。 と言っても、森の課外授業を終えてきた、 鳥人族のアンタークと、ヒヨリチャンの2人だけだ。 そこへ、課外授業担当していた、タランチュラ先生が通りかかり、2人に注意をする。 見学するなら武道場の中へ行きなさいと、 <武道場使用等入場許可証> を渡す……。 はしゃぐようにして、受け取るヒヨリチャン。 一瞬、テンションが、上がった自分自身が、 客観的視点から、恥ずかしくなりモジモジと、 可愛らしい仕草をする。 アンタークは注意された事に、 少しばかり腹を立て、 それを受け取らず、帰宅する方向だ……。 ヒヨリチャンは、窓ガラスから、 いつになく勇ましい顔つきのハルを見つけると、 嬉しそうに<許可証>を握りしめて、 武道場に向かった……。
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