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同じ性の蕾でさえ、ペロリ、と舐めたり、やや長めの舌を巧みに動かして、開花を促すように絡めたり。
更にその蕾から【練乳】によく似た体液を、体外へ排出することが得意だったりもする。
そんな餌食になったのは、今までに何人いるのだろう。
数の多さに、ボクはいつも嫉妬していた。
「……別に」
ボクはいつも、素っ気ない態度を彼にとってしまう。
けれど、彼にはそんな態度がとても気に入っているらしく。
ボクが彼に消される前に手早く保存したのを、彼は露骨に顔を歪めた。
「お前さ、いつまでそんな変なバイト続けてるんだ?十分本職だけで、食っていけるだろ」
彼は手早くノートパソコンをボクから奪って、歩き出す。
ボクの意思なんて、関係なしに。
いつもの事だから、ボクも何冊かの本や大学ノート、鞄等をまとめ、彼の後ろを追いかける。
彼は足がとても長い上に、歩くのが早いから。
だから、ボクはいつも彼の背中ばかり見ている。
ふと、彼が足を止めた。
そして、ボクの方に振り返ると、不敵な笑みを浮かべる。
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