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まるで、幼子が母親にするかのように。
歯を立てず。
口内の柔らかな壁と、長い舌を使って、練り込むように。
ボクの頬は【苺】に負けないくらい、頬が赤く染まる。
彼にしてみれば、ボクは【最後の姫】であり、【本当の姫】らしい。
それは【BLOOD】の中でも、運命に添ってめぐり合う【つがい】は少ない。
勿論、相手の性別なんて関係なくて。
ボクは生みの親にすら捨てられた。
勿論、【禁断】の中から生まれたのだから、当たり前。
一緒に生まれたけれど、肉体を持つ事ができなかった姉だけが、ボクを捨てなかった。
だから、ボクを拾ってくれるヒトなんていないと思っていた。
だからこそ、強引な彼の強く、ハッキリとした【赤い】【愛】に。
動揺するしかなくて。
こういう愛の営みについて、ボクは知っているようで、知らないようにしていた。
自分ではなくなるような感覚があると聞いていたから、すごく怖くて。
けれど、彼は。
普段のボクではない姿を、喜んでくれる。
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