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いよいよだ。さあ来い!
期待に背筋がピッと伸びる。
「よし、次。エノウエコトミ」
はっ? なっ、なんでだよっ! なんでそんなにスムーズに自己紹介入ってんだよ!?
顔面が驚愕のまま固まった。
エノウエよりエガミの方が絶対に呼びやすいだろ!? あんななりしてるんだ。男だぞ! どう考えたってコトミじゃなくコトミツか、相当捻りを加えてコトムだろ!
頭の中で抗議してる間に、江上の自己紹介はすんなり終わって次のヤツが立ち上がってる。
そうか……そうか……先生はアレなんだ。きっと生徒の気持ちを汲んで事前に名前の振り仮名をチェックしていたんだ。初日から名前を間違えるなんてかわいそうなことはできないと考えがあったんだろう。なんだ、生徒思いのいい先生じゃないか。大人として、教育者として、担任として。そうだよこうあるべきなんだ。ありがとう先生。あなたに出会えてよか……。
「次、スドウアキヒコ」
今度こそ頭の中でガラスが激しくかち割られる音がした。
俺はあの衝撃を忘れない。
歴代のどの自己紹介よりも俺は大ダメージをくらったんだ。それもこれも、全部エノウエコトミのせいだ。
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