敗北から学べ

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「死ね」 その言葉は、終わりを告げる。 生命に、時間に、次元に有効な呪文。 最強の能力者、DEATH。 「...ごめんなさい、今何かしました?」 「何故だ、何故、何故効かない!」 死の能力は絶対、DEATHもそれを信じて疑わなかった。 目の前の、例外の能力者を除いて。 「死、確かにそれは強力な能力だ。 五十音ランクのトップクラスに入る」 「死ね! 死ね! 死ねぇぇえええ!」 負の波動は周囲を包み込み ありとあらゆる物を殺していく。 その台風の中心で 涼しい顔は優しく語り始める。 「まだ、僕の名前を教えていなかったね。 僕の名前は、NO。 五十音コード Hu」 「ま、まさか」 「そう、君との相関関係は不死。 先発優勢の理論に基づき 僕は君の前では死なない」 DEATHの頭の中が、白く消失する。 人生初の敗北だった。 酸素を求めるように 口を開閉するDEATHは哀れだった。 「そう悲観するなよ、DEATH。 どうせ僕の力では 君を負けさせることなんてできないんだ。 仲良くやろう」 差しのばした手は 空間の死により阻まれた。 「愚弄するな、NO。 俺にだって誇りがある... 俺は この、俺様は 殺しながら決めていたんだ。 自分の死ぬ瞬間を」 「馬鹿な考えはよせ」 「これが俺の 最後の呪文だ。 せいぜい ごゆっくりご鑑賞しろ」 4/16 DEATH ログアウト
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