敵は、忘れた頃にやってくる。

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「木田くーん!」 遠くの方で、女性社員が俺の名前を呼んでいる。 ―――それは、お昼の時だった。 「はい?何ですか……って、勉じゃねーか!」 「よっ、久し振りだな。優希。」 「じゃあ、私はこれで。」 「あ、有難うございました。」 女性社員の元へ行くと、大学からの友達で同じ会社に入社したという平塚勉が出迎えてくれた。 「……どうしたんだ、勉?勉がこっちに来るのって、珍しくない?」 「いやぁ、あのさ……今日、飲みに行かねぇかなぁと思ってさ。」 「えっ、行きたい!俺、久し振りだし飲みたい気分かも!」 俺が張り切って返事をすると、勉は顔を嬉しそうに緩めた。 「じゃあ、俺……6時ぐらいに来るから。それまでに準備しとけよ。」 「了解ー!じゃあ、またな。勉!」 「おう!」 俺は、嬉しそに弾む勉の背中を見送った。 「優希。」 「うわっ……!?って、大倉さんじゃないですかっ!?お、驚かさないで下さいよっ……!」 耳元で、そんなふうに囁かれると……ドキッとする。
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