敵は、忘れた頃にやってくる。

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―――ってか、大倉さんって周りからそんなふうに思われてるんだ……。 何か……嬉しい様な、照れ臭い様な……。 そして、俺は大倉さんから貰った指輪に……今すぐにでも触れたい衝動に駆られた。 「……優希の、姉さんだっけ?」 「……え?」 「だから、……大倉さんの奥さん。」 「え、…あ、うん。……そう。」 「……俺さ、まだ納得してないんだけど。」 その言葉に、俺は少しビクッと肩を震わせた。 「……何で、優希の姉さんとさ大倉さんが知り合うんだ?俺、優希の姉さんと会ったことねぇけど……そんなに似てるのか?優希に。」 「え、……な、何で?」 「俺の方で一時期、話題になってたから。お前にそっくりのお姉さんと大倉さんが結婚したって。」 「…へ、へぇ……。」 ―――正直に言って、姉さんと俺は全く似ていない。どちらかと言うと、兄さんと姉さんが似ている。 「……なぁ、優希。覚えてる?」 「え?何を?」 「……お前が、酔い潰れて、俺んちに泊まった時のこと。」
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