敵は、忘れた頃にやってくる。

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「……お前と、大倉さんの関係は何だ?」 ―――一瞬、何を聞かれているのか……理解するのに時間がかかってしまった。 「…………え?」 「上司と部下?義兄弟?それとも…………恋人?」 その最後の質問に、俺は背中がゾクッとする感覚を覚えた。 ―――勉の瞳が……全てお見通しだとでも物語っている様に感じるのは…俺だけなのだろうか。 「……つ、勉…?何言って……」 「誤魔化せるとか思うなよ。俺はな、あの時から分かってたよ。」 勉が、俺の知っている勉ではない。 ―――どんどん迫ってくる勉が……怖い。 「お前が、……ここに泊まった次の日……。大倉さんは俺の所に来たんだよ。」 ―――そう言えば、大倉さんは勉の名前を聞いてきていた。俺は、その時何も意識していなかったけれど……今なら分かる。 「『友達っていう特権使って……優希を騙してんじゃねーよ。言っておくが、優希は俺のモンだ。誰にも渡すつもりはねぇんだよ。……だから、とっとと諦めろ。』大倉さんは、俺にそう言ったんだ。……そう、牽制しに来たんだよ。わざわざ、俺に。」
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