敵は、忘れた頃にやってくる。

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《平塚勉side》 閉められたドアを見つめる。 ―――あぁ、やっちまった。 言うつもりなんて無かったのに。一言話しただけで……止まらなくなってしまった。 無理矢理、あんな事するつもりなんて……最初は本当に無かったのに。 ―――優希は、たまに……かっこいい時がある。 顔は整っており、中性的な顔立ち。綺麗だけれど……何処か可愛い。そんな、奴。 けれども、時々……優希は想像もしない、男前な言動をとったりする。 ―――正直、あんな反撃を喰らうとは思ってもみなかった。 あんな脚で押し潰されて、反応しかかっている自分のモノが……恥ずかしくなってくる。 ……ゴホンッ。 とにかく、あのギャップが好きだ。 可愛いのに、守ってあげたくなるのに……。 あんな、かっこいいことをサラッと言う。 あんな、嫌われて当然のことをしても……また笑って友達に戻ろうなんて言ってくれる、あの寛容さが好きだ。 ―――なぁ、優希。もう少しだけ、好きでいても……いいよな?
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