君の面影が消えるまで。

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「葉山センセー!さようならー!」 「あー、また来いよー!」 「センセー、ここ教えてよ。私、分からなかったんだけどー」 「ここな。だから……ここは、ここのXとこのyを掛けて……」 皆さん、どうもお久し振りです。 ―――葉山健です。 ん?誰だって?ほら、優希先輩を大倉さんと取り合った奴ですよ。思い出してくれましたか?あの時の奴です。 「健ー、お前誰に向かって話してんだ?」 「お前なぁっ…!これでも一応先生なんだから先生ぐらいつけろっ!」 「えー、健は何かつける気しなーい。」 「何だと、ゴラァ……」 「うわー、大人気ねぇ!帰ろうぜっ!」 「大人気無くて悪かったな!気を付けて帰れよー。」 ―――はい、絶賛高校生に馬鹿にされてます。 あ、今は塾講師やってます。 あの、優希先輩が居た会社を断って始めた塾講師という仕事。 この仕事には、昔から憧れがあって……頭がそこそこ良い俺は、学生時代に家庭教師としてバイトをした経験があった。
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