君の面影が消えるまで。

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「……金?金がどうかしたのか?」 「俺……ここからバスで40分の所に家があって……バスに乗れないと帰れないんですけど…」 「……もしかして、そのバスで最後なのか?」 俺が頭に思いついたことを口にすると、水城はバツが悪そうに横に視線をズラした。 「……はい。……だから……」 「いいよ。送ってけばいいんだろ?素直に言えばいいだろ。回りくどく説明しなくたって。」 そう言って、頭をクシャクシャと撫でてやると……その髪は思ったよりフワフワで、もっと撫でたい気分にさせられた。 「あっ…ありがとうございますっ!た、助かります!」 そう言って、頬を赤らめた水城は……こんなふうに撫でられるのが慣れていなかったのかもなと感じた。 ―――あぁ、嫌だ。 俺は、ハンドルを握りながら……心底思った。 隣に水城が居るのが……本当に落ち着かない。 優希先輩じゃない、そう思ったって意識してしまうものは意識してしまうのが人間という生き物だと思う。 「あ、そこ左です。」 「…了解。」
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