君の面影が消えるまで。

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―――それから一週間、今日は数学の授業がある日だ。 「センセー、久しぶりー!」 「久しぶりって、まだ一週間しか経ってないだろうが。」 「えー、私的には、一週間って凄く長いと思うんだよねー!特にセンセーに会えるしー」 「そんな事言っても、何も出ないぞー」 「センセーのケチー!」 ……正直、自分の顔が良いことは知っていたが、塾講師をしてから更にモテる様になったのは気のせいだろうか。 「健ー!」 「……おい、お前なぁいい加減にしとけよ。予習増やすぞ?」 「うわー、差別だ差別!!別に歳近いからいいじゃん!」 「……あのね、お前らより10歳ぐらい年上だからな。そこは間違えんなよ。」 「10歳だけだろ?別にいいじゃん!」 ……コイツは…!ああ言えばこう言う……。キリが無い。 「……分かったよ、ほら早く席つけ。」 「いえーい!じゃあ、今日もよろしくなー、健!」 「……はいはい。」 テキトーに相槌を打ちながら……俺は水城が来ていないなぁなんて考えていた。
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