616人が本棚に入れています
本棚に追加
/62ページ
―――それから一週間、今日は数学の授業がある日だ。
「センセー、久しぶりー!」
「久しぶりって、まだ一週間しか経ってないだろうが。」
「えー、私的には、一週間って凄く長いと思うんだよねー!特にセンセーに会えるしー」
「そんな事言っても、何も出ないぞー」
「センセーのケチー!」
……正直、自分の顔が良いことは知っていたが、塾講師をしてから更にモテる様になったのは気のせいだろうか。
「健ー!」
「……おい、お前なぁいい加減にしとけよ。予習増やすぞ?」
「うわー、差別だ差別!!別に歳近いからいいじゃん!」
「……あのね、お前らより10歳ぐらい年上だからな。そこは間違えんなよ。」
「10歳だけだろ?別にいいじゃん!」
……コイツは…!ああ言えばこう言う……。キリが無い。
「……分かったよ、ほら早く席つけ。」
「いえーい!じゃあ、今日もよろしくなー、健!」
「……はいはい。」
テキトーに相槌を打ちながら……俺は水城が来ていないなぁなんて考えていた。
最初のコメントを投稿しよう!