君の面影が消えるまで。

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確か、水城の学校のところは来週がテストだったはず。 「おう、頑張れよ。」 そう言って、送り出してやった。 ―――一週間後。 今日も、数学の日がやってきた。 「葉山先生!こんばんは!」 「おう、水城か。どうだった?テストは?」 「……ちょっと自信ないですけど、今までで一番手応えがあった気がします。……あぁ、90点以上取れるかなぁ…。」 「まぁ、それなら良かったじゃないか。今までで一番手応えあったんだろ?」 「いや!それじゃあ、ダメなんですっ!」 いきなり大声を出した水城に、少しだけびっくりした。 「……?何でだ?」 「……先生と、デート出来ないから。」 「え?あぁ…。」 ―――そう言えば、水城が90点以上取ったらデートをするとか約束していた。 「別に、俺なんかとデート出来なくたって……」 「俺は!その為に頑張ったんです!」 「あ、…そう、なのか?」 ―――あの時は、てっきり高校生の冗談か何かだと思っていたが……本気だったのか。
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