君の面影が消えるまで。

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「そうですよっ!……まさか、冗談だと思ってたんですか?」 「あー、…まぁ、そんな感じ……」 「……先生は酷いですね。」 「…えっ?」 「……どうせ俺は、子どもですよ。……でも、」 どうやら水城を怒らせてしまったらしい。……謝った方がいいかも……。 「90点以上取ったら、絶対にデートして下さいね。」 そう言った水城は、獲物を狙う様な顔つきで……少しも優希先輩とは似ているなんて思いもしなかった。 ―――時の流れの速さを感じる……。 ソワソワした状態で、一週間が経ち……運命の水城のテスト結果がわかる日となった。 「あ、センセー!こんばんは!今日ね、テスト返ってきたんだけど見てよ!私にしては頑張ったと思いません!?」 だいたい、何処の学校も同じ時期にテストを行うらしく、女子生徒が自慢げに俺に点数を見せてきた。 「おー!確かにお前にしてはよく出来てるな!わからない所あったら聞けよ。」 「はーい!」 ―――82点か。まぁ、少しでも成果が出てくれれば俺としても嬉しい。
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