君の面影が消えるまで。

19/31

617人が本棚に入れています
本棚に追加
/62ページ
―――不覚にも、年下相手にドキッとしちゃったりして……。 ……って!俺…何、年下相手にグイグイ来られてるわけ!?しかも、男だぞ!?(優希先輩似の…) 「あー……そうか。じゃあ、もうそろそろ着くな…」 「今、話逸らしましたよね?……また冗談とか思ってるんですか?」 「いやぁ……別にそーゆー理由じゃ…」 ―――俺って、こんな奴だったっけ? こんな、相手から押され気味だったか? ―――コイツは……俺を狂わせる。俺を調子づかせない…。 さっきから、信号が早く青になってくれ……そんな事しか頭の中にない。 俺は、こんな焦る人間じゃなかった。 いつもなら、俺が相手を焦らせ……俺の方に波を持っていくのに……。 「ねぇ…、健先生…?」 そう言って、近付く水城の顔……。あ、もうヤバイ――― 「…信号、青ですよ?」 「……分かってるよ!」 ―――紛らわしいんだよっ!このクソガキがっ!! そう、心の中で悪態をついているうちに……一度見た水城の家が見えてきた。
/62ページ

最初のコメントを投稿しよう!

617人が本棚に入れています
本棚に追加