君の面影が消えるまで。

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「健さんは?どんな学生時代送ったんですか?」 そう聞かれて、思い返すと…… 「……別に、大したことしてねぇよ。テキトーに遊んで、テキトーに勉強して……俺の今がある。」 そして、そのまま口へとワッフルを運んだ。 ―――これ以上、自分へのツッコミが来ないように……。 「……そうですか。」 水城は、いい奴だと思う。 空気は読めるし、頭の回転が速いから今の現状もすぐ理解してくれる。 その後は、無言でワッフルを食べ続けて、いつの間にか俺たちの皿は空っぽになっていた。 「じゃあ、出るか。」 「そうですね。……あの!健さん!」 「ん?」 「此処は……割り勘にしましょう!」 「あぁ、いいよ。」 「ありがとうございましたー!」 と、店員に見送られ……俺等はまた街中へと出て行った。 「……」 「……」 互いに無言。……うーん、気まずいな。 そう思い、水城に話し掛けようとした時だった。
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