君の面影が消えるまで。

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そう言ってグイッと俺の腕を引っ張って走り出した水城。 ―――何か、今日ずっとこんな感じだなぁ。と、走りながら思う。 「ちょっ……水城!お前、速い……」 俺だって、運動神経に自信はある方だが……こんなハイスピードで駆け抜けられると10歳も年上の俺にとってはかなりキツイものがある。 それでも水城は走り続ける。……まぁ、少しスピードは緩めてくれたが。 「ハァハァ……」 ―――やっと止まったと思い、周りを見渡すと……緑に囲まれた場所。公園か何かだろうか。 流石の水城も少しばかり息を上げている。 「……健、さん。」 「……な、何だよ。」 「健さんが言ってた初恋の相手って……あの人だったんですね。」 ―――勘がいい奴はこういう所が嫌いだ。ズバリ言い当ててくるところ……。 「あぁ、そうだよ。俺の初恋で、初めて振られた相手だよ。」 何もかも面倒臭くなってしまい、ぶっきらぼうに水城の質問に応える。 「教えてくれませんか?……あの人と、どう知り合ったのか。」
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