オレが1番だ。。

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ブルブル、ブルブル... ブルブル、ブルブル... また 携帯が震え出し起される。 携帯の時計を見た。  15時45分。 もう こんな時間か、と思いながら届いたメールを開く。 涼からで、 『起きてる? あと10分位で着く』 「起きてる」 送信する。  ...起きてるっていうより起こされたなって微笑む。 寝汗で濡れた服を着替え また顔を洗う。 玄関のチャイムが鳴り、 朝よりも少しだけ軽くなった体で玄関に向かい鍵を開ける。 オレが扉を開ける前に外から開けられ涼が入ってくる。 玄関に入った涼は、 『寝ろ、寝ろ』って オレの両肩を掴みクルリと反転させ背中を押して行く。 押される背中に涼の掌を感じた時、 後ろから涼が言った。 『まだ 熱ありそうだな。背中が熱い』 「そっか、朝、計ってから計ってないや」 ...ふーんっと鼻を鳴らす。 オレをベッドに寝かせ下のリビングまで体温計を取りに行く涼。 あいつは、なんて甲斐甲斐しいんだって思い ポーッと火照った顔を隠すように鼻まで布団を被る。 熱は朝より少し下がっていたけど、まだあった。 ベッドの脇に座り込み ベッドに頬杖つき横になっているオレを見る。 『...今日1日さ、前の席に虹朗が居なかったろ』 オレ、すんげー淋しくてさぁって、 ストレートに自分の気持ちを伝えてくる言葉が 更にオレの体を熱くするのを感じて目を瞑る。 瞑る瞼が暗さを増し鼻先の空気が揺れ目を開けた。 心臓がドキンと跳ねた。  オレの顔の上に涼の顔があって..... 跪きオレを覗き込み 『調子悪いのか...』って聞いた。 近すぎる涼の顔を見て 胸がバクバクバクバクし過ぎて 声も出ず、オレは枕に乗せた頭を左右に振った。 少しだけ顔を離し 目を伏せて涼が言った。 『なー。オレも横に寝ていい』 ちょっと 甘えた声で言った。
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