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なんだかんだと忙しく動き回る虹朗に付いて回るオレ。
結構...邪魔だったりして なんて思う事もあるんだけども...
虹朗は何も言わないのでオレも何も言わずやり過ごす。
...って言うかさ。 オレちょっと気づいた事がある。
前の虹朗はいつも
「もー 涼はー、とか」
「しょうがないなー、とか」
文句を言いながらオレに振り回されつつ相手をしてくれてたのに...
... 気づいてしまった。
なんだか この頃、立場が逆転している。
キスをして欲しい時 唇を指でトントンと触れて催促をするオレ。
虹朗は回りを気にしながら 照れ臭そうにキスをしてくれる。
これが...ちょー可愛いくて萌えるオレ。
ところが この間 やっと図書室の新しく入れる本のリストが出来て
生徒会室まで持って行く時。
虹朗はオレに振り返り「 涼 」って言って、
人差し指で自分の唇を軽くタップしてキスを催促してきた。
オレは慌てて回りをキョロキョロしてチュってして、
チュってして...顔が赤くなって。
熱くなって、 その後ちょっと項垂れた。
(なんなのオレ)
あぁーー
ひとり悶絶。
そして今だって、
「オレ、 生徒会室行くけど、来る?」って、
虹朗に声を掛けられいつもの事なのに
なぜかドッキーンとするオレ。
『 行く 行く... 』って顔が火照る。
この頃のオレって尻尾をブンブン振った犬のようだと項垂れた。
虹朗は不思議そうにオレの顔をジーっと見るけど
それ以上は何も言わずに歩き出す。
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