文化祭

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『今日は何しに...』 前を歩く虹朗に聞く。 ちょっと 小さくなった声で聞く。 「うちのクラスの予算仕訳表を出さないとね。  なるべく全額 生徒会から出るように頑張るよ」 虹朗も疲れたような小さな声で答える。 また 具合が悪くならないか ちょっと心配だけど... オレらのクラスは定番のお化け屋敷。 予算は掛かるが当日にやる事は単純。 入ってきた奴をとにかく暗闇で脅かせばいいんだからって事で即決。 男子が女装してのメイドカフェ。 なんて言う案もあがったけど... メイドの格好が違和感なく出来るのは虹朗と佐々木だけで 後のメンツは考えただけでも...恐ろしい、 で却下された。 仮装カフェ、 喫茶コーナー いろいろ案はあがっても...  うちのクラスに男前はふたりだけ、 仮装しても、ボーイの格好しても 人の集まるのはふたりの周りだけ... それなら 暗い中でお化けの格好をしてしまえば 虹朗も佐々木も解らないだろ...って。 そりゃ、そうだってオレも思う。 オレはいつだって笑い要員だしなーって溜息を吐く。
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